2兎追うもの1兎をも得ず と 作業療法的「兎」


 『今週のお知恵 「2兎追うもの1兎をも得ず」 いうことわざ。』

 このことわざ 小学生にささるか? というと少々疑問。モノ・コトに溢れ、コツコツより効率。無駄なんかくそくらえ。「心頭滅すれば火もまた涼し」などといったら熱中症のことか?といわれるご時世です。目標を絞れということなのですが、目の前の捕まえなければならない兎は、2兎、3兎が現実の生活というものです。「希望は大きく、目標が小さければ2兎でも3兎でも捕まるよ。」 おばあちゃんから孫市*へ「ことわざ」に色をつけてラインに送りました。
 小さな目標、具体的であればあるほど目標は、達成しやすいものですが、これが意外とむずかしい。希望が大きければ、夢が大きければ、想像力がゆたかなほど具体的という意味がつかめない。青年期とはそういうものだと自分を振り返り思います。青年期の前の思春期もしかりもっと五里霧中でしょう。思春期手前の小学生は、打って変わって毎日が具体的目標あるのみ。
  
病気は、人を混乱させる 
 
 脳血管障害による片麻痺などでは、いろいろな運動機能、感覚機能、それらを調節する自律神経機能が変調をきたします。体が思うように動かない。気が付くと自分が自分でないような感覚に陥ってしまいます。その中で多くの方が強い不安と混乱を経験します。そこから自分を取り戻し新たな目標をみいだせるようになるまで、リハビリの仕事師たちは、長く関わります。息の長い仕事です。多くの専門職と連携しあいながら支えてゆきます。病気は、挫折や喪失感に人を陥らせますが、今までにない新しい出会いや体験、新たな自分の発見、成長のきっかけにもなり得ます. 多くの方が支えられている自分を受け入れてゆかれます。そういえば「人」という字は、支えられる、支える関係で成り立つ字でもありました。支えるばかりで支えられることを知らないのも、また片手落ちかもしれません。
 しかし現実は、「歩けなくなった」→「歩きたい!歩きたい!歩きたい!」気持ちからなかなか切り替えられません。本人にとっても、周囲にも「歩く」が大きな希望・夢になります。普段考えなくてもできていたことが考えないとできない。自分の体をコントロールしないとできない。自分の体なのに何をしてよいかわからない。そういう状況の中、リハビリでは、理学療法士も作業療法士も同じように「歩く」動作を分析して段階を踏んで「歩く」動作に近づけられるよう運動を促します。その経過を理学療法士は、できるだけ長く歩けるように筋力、持久力の視点から観察しています。 作業療法士は、元の日常生活の活動(たとえば買い物や料理、職場や育児 趣味など)の視点から観察してます。方向を見失わないように見守る人がいていつか夢が現実になってゆくのです。

小さな目標を積み重ねる

 歩行に至るまでには、多くの段階があります。寝返り→自分で起き上がる→座位が安定する→自分で立ち上がる→左右・前後から揺らされても踏みとどまる→立って高いもの、遠いものをとる→一歩、足を出す。歩き出せるまでにたくさんの小さな目標を達成してゆかなければならないのですが、移動という視点からみれば身体機能の回復ばかりにこだわることはなく、起き上がれなければ手伝ってもらう。立てなければ支えてもらう。足の力が足りなければ杖を使う。けりだせなければ車いすを利用して移動する。それでも買い物、通勤などの目的を達成できるのです。私だったら納得できるまで歩くことにこだわらせてもらいたいし、あきらめるまでいろいろ運動させてもらい限界を知りたいです。できることなら、どのくらい歩けるか自分で考えて決めたいです。いろいろ体を使ってみる場を提供してもらえ、安心して退院できたらそれが一番いいのですが・・・・ 今の医療はそこまでの余裕がなくなりました。退院後の家庭や施設での生活場面がリハビリの主戦場になってきています。一人で自分の体と戦わなければならないことも少なくありません。

「子どもの遊び」に学ぶ

 小さな目標や具体的な目標を立てるためには、大きな夢を分析することが必要です。次々に繰り出される子供の遊びにそのヒントがあるように思います。 「目につくものから手を付けろ!」「優先順位は、食べたいもの順!」 「なんだろうと思ったらほっとかない。」「理由はあとからついてくる。」そうやって具体性は獲得されるのではないかと思います。「体」を使う遊びが、「体」の再構築にも役立つように。 「分析できない」というのは、引き出しの数が足りないことかもしれません。引き出しが多いほど、分析しやすくなるというものです。

作業療法的「兎」
 
作業療法的な「兎」は、小さな兎です。
 手に届く距離にある兎を引き出しの中に見つけてとびかかりましょう. それがやがて大きな夢につながります。ちなみに孫市のラインの返信は「なるほど勉強コツコツ頑張ります。🔥🔥」でした。最初に送った諺は、「急がば回れ」 次が「2兎を追うもの1兎も得ず」→返信「コツコツ」
御見それしました孫市!
キーボードをたたく 制作:孫市
 
*孫市について
 孫市は、わたしのはじめての孫です。当年とって12歳 イケメン男子です。ゲーマー志願の160cm 私の60代ブログ「異・職・柔・遊 暮らしを紡ぐ」では孫一で登場しました。彼も10代となりましたので70代ブログ「作業療法的私生活のススメ」では孫市にしました。正義の味方「座頭市」の市でもあります。
  仁義なき今の時代 「男 孫市 どこへゆく」!

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